2013年03月05日
黒塚の鬼女 ぎゃあー!!
パソコンの扉を開けたら黒い画面に得体のしれない鬼女が現れた、画面がライトブルーに変わり「ようこそ」の文字、次に「素敵な高橋真梨子」の笑顔・・あの鬼女は何だと思い画面を最初からやり直した。やっぱり「黒塚に出てくる鬼女」が現れた。
よく覗き込んだところその鬼女は私ではないか・・・黒塚の鬼女とは「黒塚という能の演目」である、陸奥国安達ケ原の鬼婆のことである。自分がびっくりするのだから、他人はもっとびっくりするであろうと・・何と皮肉なことにパソコンの脇に自動車の免許証があった、五年前の顔、その顔は鬼女の形相はしていなかった、まだ、穏やかな可愛らしい顔をしていた、五年もたつとこんなにも変わるものかと驚いた。黒塚という能は「人の心の二面性を描いた」ものらしい、この鬼女はいわば誰もが持つ心の奥の秘密を暴かれたのである。私が救われたのは私の顔「鬼女」が最初に現れ、「ようこそ」と優しく誘い「素敵な真梨子さん」の顔、救われたと言う事は最初に「本性」を出してしまったからである、人間って最初に本性が出たほうが「気」が楽ではないですか。これが逆だったらどうでしょう、優しく微笑んで、じわじわと「鬼女」が現れたら、恐ろしいです。
いままで家人の顔を「なんと皺だらけで酒太りした顔で窯神様の顔より劣る」と思っていました、しかし我が顔を見た時、家人の顔は窯神様だからよい、私は鬼女である。こうやって、家人は黙って鬼女を見てきたのだと思うと…。これからはちょとづつ「優しく」しないと…。何処まで続くか分かりませんが、こうして、暮らしに限りある老人夫婦は寄り添っていくのでしょう。